子供の矯正治療
幼児期から小児期の時期には、口のまわりの悪習癖(指しゃぶり・口唇・舌など)、また、アデノイドや扁桃腺肥大・鼻疾患などにより鼻呼吸がしにくく口呼吸をすることにより、顎の成長や歯並びや噛みあわせを悪くしてしまいます。
顎の成長があるのは一生のうちでこの時期しかありませんので、問題があれば早い時期に原因を取り除き、顎の骨の成長を理想的な方向に誘導するのがこの時期の治療の目的です。
【メリット】
1、永久歯の治療をする必要がなくなるか簡単な治療ですむ可能性がある。
2、永久歯の治療で歯を抜かないで治療できる可能性がある。
3、永久歯の治療で使用する装置より比較的シンプルなもの(取り外し可能な装置など)である。
4、治療することにより虫歯・歯周病・歯の外傷などを予防することができる。
5、永久歯の治療と比べて費用がかからない。
一般的には7~8歳くらいに開始することが多いのですが、成長の時期も個人差があります。
また、反対咬合や開咬・交叉咬合などの場合は、乳歯列の時期から治療を開始した方がよい場合もあります。
また、子供の治療の場合は、本人のやる気も大切ですが、ご家族の協力によりお子さんのやる気を持続させるのも重要なポイントです。
お子さんのこんな「くせ」に注意
お子さんの歯が生え始めた段階から、ご両親はお子さんの歯に注意して頂かなければなりません。お子さんのちょっとした癖、悪い習慣などが原因になって、歯並びにまで影響を及ぼすことがあります。

指しゃぶりは2歳ぐらいの多くのお子さんに見られる癖です。しかし、4歳ぐらいになっても放置しておきますと、
出っ歯になったり、上下の前歯がかみ合わなくなってしまいますので、習慣化しているお子さんは徐々に止めさせる指導が必要です。

普段、舌を上下の歯の間にはさんだり、かんだりする癖や食べ物を飲み込む時に舌を前に出す癖はありませんか?
そのまま放っておくと、
上下の歯の間が閉じなくなり(開咬)、かみ合わせや顎の発育に悪い影響を与えてしまいますので、気付いた時点でやめさせるようにして下さい。
すでに上下の歯がかみ合っていない方は早めに相談することを勧めます。

お子さんがいつも口を開けてませんか?
慢性の鼻炎や花粉症、アデノイド、へんとう炎などがあると、鼻で呼吸することがむずかしくなり、口で呼吸するようになります。
長期にわたってしまうと、いつも口をあけている習慣や、口で呼吸する場合の姿勢の関係から、
歯並びや顎の発育に悪影響を与えてしまいますので注意してください。

お子さんが長時間、爪・タオル・おもちゃなどをかんだり、なめたりしていると、
下の顎を前に出したり、上下の前歯の間に物をはさむ状況になりますので、上下の歯が反対のかみ合わせになったり、歯がかみ合わなくなってしまいますので、注意してください。

姿勢の悪さは、かみ合わせや顎の成長発育に悪影響を与える可能性があります。
ほおづえやいつも一方向を向いて寝ていたり、猫背などささいなことでも注意してください。 テレビを見ている時の位置・姿勢にも配慮しましょう。